Far from the Tree

本のレビューを書くのは本当に久しぶり。(ブログを書くこと自体も……)
心を揺さぶられた物語のレビューを冷静に書くのは難しいのだけど、Let me try.

Grace(16歳)、Maya(15歳)、Joaquin(17歳)は母を同じくする兄妹だが、お互いの存在を知ることなく、養父母、里親と暮らしてきた。
GraceとMayaは生まれてすぐ今の家族の養子に。一番上のJoaquinは里親、施設を転々してきた。

物語の発端はGraceが妊娠したことから始まる。
ボーイフレンドのMaxは父親としての親権をあっさりと放棄。Graceが学校を休んでいる間、ほかの女の子をガールフレンドにしてしまうような無責任なやつだった。
高校生の自分は経済力もなく育てられないと判断したGraceは養父母にも相談し、信頼できる若い夫婦を選択。Peach(Graceはお腹の中の赤ちゃんを内緒でそう呼んでいた)を託す決断をする。
Peachの生命をお腹の中で感じ、愛情を抱くようになっていたGrace。
Peachを手放したときの身を切られる思い、その後の虚無感から自身の実の母親ことを考えるようになる。自分が子供を産むまでは母親から見放された要らない子供だと思っていたGraceだったが、母親にも子供を手放さなければならない事情があったに違いない。そして、自分と同じように身を切るような思いをしたに違いない。その母を探しだし、会ってみたい。そう思うようになる。
カウンセラーを通じ、Maya、Joaquinの存在を知ったGraceは一緒に母親探しをしようとコンタクトをとるが、2人とも乗り気ではない。母親は自分たちを見捨てたのだ。
養父母から実母に宛てた手紙は全てそのまま返却されており、名前以外、実母に関する情報は皆無だった。

定期的に会うようになった3人だが、それぞれが問題を抱えつつあった。

Graceは出産後しばらくして学校に復帰するが、友達は離れ、男の子たちからあばずれ呼ばわりをされる。学校も最初のケースで対応に苦慮していた。ある日、子供を産んだことに対しての悪質なからかいが導火線となって怒りを爆発させる。もう我慢の限界だった。その日から学校を休学。家庭学習をすることに。しかし、家庭では養父母の腫れ物に触るような接し方にいらいらを募らせる。
Graceにとって、一番の問題は、自分がPeachを産み、養子に出したことをMayaとJoaquinに言えずにいたこと。そのことが母親探しのきっかけで、2人にとっても大事なことだったのだが。

Mayaの家庭は裕福である。妹はMayaが養子になって1年後に生まれた実子。血のつながりはないが、普通の姉妹として暮らしていた。一見裕福で幸せそうな家庭のように見えたが、実は問題を抱えていた。養父母の関係が徐々に悪化。毎日けんかが絶えなかった。そのことから母親はアルコールに依存するようになっていた。
とんがっていて思ったことを素直に言えない性格のMaya。全てを受け止めてくれるガールフレンドのClaireの存在は大きかった。だが、養父母の離婚の危機にClaireとの仲も危ういものとなる。自分の居場所は一体どこなのか……。

一番年上のJoaquinは17年間、さまざまな里親を渡り歩いてきた。今の里親夫婦は彼を養子に迎えたいとJoaquinの決断を待っていた。しかし、過去に起ったある出来事が彼を踏みとどまらせていた。自分は養子にふさわしくない人間だ、周りの人を不幸せにしてしまう。そのフラストレーションが唯一心を許せる相手であるガールフレンドBirdieとの関係を悪化させてしまう。

個々の問題が深刻化、重層的にクライマックスへと向かっていく。その中でお互いの存在が支えとなる。彼らの母親探しの行方は……。

物語はGrace、Maya、Joaquinの順に三人称の章立てで語られる。
クライマックスに向け読み手の気持ちをぐっとつくりあげていく手法がすばらしい。クライマックスから結末にかけては公共の場で読まないほうがいいかも。

メキシコからの移民の問題、10代での妊娠の問題、addaption、Forster Care、家族の在り方、がテーマだろうか。


Far From The Tree
Simon & Schuster Childrens Books
Robin Benway

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト


この記事へのコメント