House of Arden (from Complete House of Arden)

ネズビットのタイムトラベル&宝探しファンタジー。
ご紹介しているのは、House of Arden、そしてその完結編のHarding's Luckが合本になっているKindle版です。
5年ぐらい前に一度通しで読んだのだけれど、今回(Harding's Luckは今から再読しま~す)読み返して、
全然読めてなかったことがわかりました。
とはいっても、すっごくおもしろかったんですよ。その当時も。そして、大筋はちゃんと把握していたのです。
でも、物語を味わうところまでいってなかったんでしようね。
今回は、登場人物の関係とか物語の流れがクリアになって、すごくおもしろかった。
いや~、いつの間にかストレスなく読めるようになってたんですねえ。




E. Nesbitがこの物語を書いたのは1908年。100年も前の作品なので英語も古く、5年前の私には難しかった。
でも、おもしろかったという印象が強く残っているところをみると、家宝探しとタイムトラベルがドッキングした物語にすごく惹かれるものがあったんでしょうね。物語の力というか……、ねっ。

今は荒廃してしまったArden Castle。そのArden家末裔の子どもたちが家の象徴である家紋の白いモグラ(The Mouldiwarp)の魔法の力を借り、Arden家に伝わる失われた宝を見つけるための手がかりを過去にさかのぼって探しに行く物語。

Arden Castleはかつてはヘンリー8世も訪れ、多くの領民や財、そして兵士を持つ豊かな時代もあったが、その末裔は崩れ落ちた城壁などで建てられた小さな家に住む年老いたLord Ardenと、その遠縁のEdred Ardenだけになっていた。そのLord ArdenもEdredが10歳を迎える2週間ほど前に亡くなってしまっていた。

Edred Arden(9歳(もう少しで10歳の誕生日を迎える))は姉の Elfrida Arden(13歳)とおばのEdithと一緒に海辺のがけの上にあるこじんまりした家に住んでいた。彼らの暮らし向きといえば、夏場海水浴客に部屋を貸すことで何とか生計を立てている状態。
なぜなら、EdredとElfridaの父親とAunt Edithの婚約者Jimは南アメリカへ出かけて冨を築いたものの、帰途、盗賊にとらえられ冨と共にその消息を絶ってしまっていた。2人は死亡したものと考えられていた。

ある日、おばのEdithは一通の手紙を受け取る。それはアーデン家の船が港に入ったというよい知らせだった。
(船が帰ってくることでお金が入るのか何なのか、その辺の理由がよくわからなかったのだけど、このことで、がけの上のロッジから、Arden castleに移り住むことになる)
おばのEdithが港へその船の用事で出かけている間、EdredとElfridaはArden Castleを訪れる。そこで、代々城を管理している老人にArden家の宝物の言い伝えを聞くことになる。
Lord Ardenになる者が10歳になる前に、まだ9歳の間に日が沈むArden Knollである呪文を唱えるとその家宝を手に入れることができるというもの。
Arden家の図書館から呪文を書き留めた紙を探し出した2人が言い伝えのように呪文を唱えると……。
あらわれたのは宝ではなく、1匹の白いモグラ。
Mouldiwarpと名乗るそのモグラは、実はArden家の象徴として家紋になっている生き物。
EdredとElfridaはMouldiwarpの魔法の力を借り宝が隠された時代にさかのぼってその糸口を見つけ出そうとする。

EdredとElfridaの時代が1908年。そこから過去へさかのぼる。
1回目、最初の冒険は1807年(ナポレオンがイギリスに攻め込んできた時代)。ここで2人はthe witchに遭遇。
2回目はその100年前の1700年初頭。(Elfridaだけがこの時代に飛び、盗賊に出会う)
3回目は1605年の11月5日へ(Gunpowder Plot)。 ここでいとこのDickに出会い、Tower of Londonに幽閉されたElfridaをEdredはDickと一緒に助け出す。幽閉されたのは、Elfrida自身がうっかりGunpowder Plotのライムを歌ったのがそもそもの原因だったが……。
そして、4回目はHenry 8世統治下のMay Day. King Henryとその2番目の妻Anne Boleynの一行が祭りを見にArden領を訪れる。Dickとthe Witchに再会するが、Elfridaが予言的なことをQueen Anneにささやいたばかりに追われるはめに。

宝物の場所は、いつももうちょっとのところでその隠し場所がわからないというところがお定まり。
さて、アーデン家の家宝は見つかるのか!?

Edred、Elfrida、そしてMouldiwarp以外で重要な役割を担っているのがDickとthe witchの2人
同じ時代には2度戻れないけれども、時代を旅する術を持ち、EdredとElfridaをいつも危ないところで救い出してくれるwitch。彼女には最初のタイムトラベルで出会う。
そして、Gunpowder Plotの時代に出会ったいとこのDick。彼の存在はとても重要で、物語に謎を残します。
彼もまた時間を旅することができるのだけれども、一体全体いつの時代の人間で、何者なのかは謎。
続編のHarding's LuckはそのDickが主人公の物語。
EdredとElfridaの物語はHouse of Ardenで一応の結末を見るのですが、
次のDickの物語が語られることですべてがすっきりします。
(EdredとElfridaはある大事なこととの引き換えで時間を旅する力を失ってしまうのです。)

時代をさかのぼる方法はその都度、その都度違っていてNesbitの想像力の豊かさに驚きます。
屋根裏部屋で見つけたその時代の洋服を着ることでその時代に飛んだり、デイジーの花で形作られた時計の針を止めることで違う時間へ移動している間の時間を止めることができたり。
唯一、共通するのはMouldiwarpを象徴する白。これがマジックの重要なキーとなっています。

Nesbitは社会主義的な活動もしていた人のようで、その当時の社会を批判するような文章がところどころに出てくるのも印象的でした。

▼原書はこのサイトで全部読めます。
http://digital.library.upenn.edu/women/nesbit/arden/arden.html#I

さて、続きのHarding's Luckを再読することにします。

知らなかった、邦訳が出てる……!

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